身近な恐怖、知って心配、知らずに大変 その3

人工的な香りの弊害


もう一つの問題として、消臭剤や芳香剤の問題があります。最近匂いの残る洗剤や芳香剤が多く発売されています。

人間の鼻で嗅いだ匂いは、そのまま脳の中枢に伝達されることが分かっています。昔から人間は鼻から命に係る重要な情報を収集してきました。食べ物の匂いはその食品の安全性を知るうえで重要ですし、ガスの匂いなどで危険を感じることもあります。

このため、鼻から得られる情報は直接脳の中枢に伝達され、即座に脳によって判断されるようになっています。

近年、芳香剤に含まれる化学物質などが原因でアレルギー症状がでたり、気分が悪くなったりする問題が発生しています。

常に強い香りが身の回りに存在するということはある意味異常な状況ですし、これによって脳の中枢が刺激され続けることは精神的にも決していい状態ではないのではないかと思います。

そして、このことによって本当に必要な鼻からの情報が収集されるのが妨げられている可能性もあります。

人間の体は太古の時代からの長い歴史の中で、自然と調和した形の中で作られてきました。

現在のように多くの化学物質に囲まれた生活は人の歴史の中では本当につい最近の出来事であり、これらの化学物質が人体にどのような影響を及ぼすのかは十分に解明されていない状況です。

事実安全だと思われていた化学物質が、調査が進むなかで危険性が指摘され廃止となった物質が多く存在していることは周知のとおりです。

自然の植物の中にもアレルギーを引き起こすのと同じような化学物質が含まれているものもあります。しかし、植物に含まれている化学物質は一つの成分が突出して存在することは少なく、バランス良く含まれています。

私たち人間は長い歴史の中で、これらの植物の特性を利用して抗菌剤として利用してきました。抗菌性の高いササの葉を利用して植物をくるんだり、魚の横に抗菌性のあるヒノキの葉を添える、カマボコ板に抗菌性の高いモミの板を使用するなど、植物の持つ自然の抗菌力を巧みに利用してきました。

特に、毎日生活する家の環境は重要で、抗菌剤が多く含まれているクロスやボートの貼られた家と、自然の樹木によって細菌の発生を抑えてくれている家とでは、どちらが私たちの暮らしにより良い家かを私たちは感じとることができるはずです。

言葉はいりません一度あなたの五感で感じてください、目を閉じると静かな森の中にいるそんな空間との出逢いがありますように。

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